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2014年6月5日木曜日

はじめに

東京ディフェンダー法律事務所所属、弁護士の山本衛と申します。

東京で刑事事件専門の弁護士をやっています。
縁あってこのようなブログを開設することとなりました。
たくさんの方々に読んでいただけることを願っています。

このブログでは、自分の日々の弁護活動を中心に日記的なものから、評論まで雑多につづりたいと思っています。
最初の記事で何を書くかは迷っていましたが、せっかくなので、僕がなぜ刑事弁護専門の弁護士を志したのか、なぜ今こうしてたずさわっているのか、書いてみたいと思います。


「弱い立場に置かれた人の助けになりたい」

そう思って、弁護士を目指しました。そう思って、刑事弁護を志しました。
刑事弁護は、犯罪を犯してしまった人、あるいはそう疑われた人を弁護する仕事です。彼らを弁護することは、弱い立場というにはピンとこないかもしれません。
弱い人の助けになりたいなら、消費者、労働者、被害者、ほかにもたくさん救うべき弱者がいるだろうと。

みんながそう思います。社会の大勢が、そう思います。
しかし、そのことにこそ、僕が刑事弁護を選ぶ理由があるのです。
罪を犯した人、罪を犯したと疑われた人は、人々に社会の敵とみなされます。刑事事件に巻き込まれたというだけで、社会に味方がいない。そのこと自体が、決定的に、罪を犯した人、罪を犯したと疑われている人を弱者たらしめています。
それをわかった上で、彼を助けることができるのは、弁護士しかいません。
そして、現実にも、捜査機関などの国家機関によって身体を拘束され、厳しい糾問の対象になり、大きな危険にさらされる弱者となります。弁護士は、このような刑事事件に巻き込まれた人を守る使命を負っていると思います。

弁護人がいなかったら、多くの声、それを代表する検察官によって、被告人は悪い奴であると糾弾されます。
弁護人は、これに反対の視点を投げかける役割を持っています。
検察官が「彼は有罪だ」といえば、弁護人は「彼は無罪だ」
検察官が「彼のやったことはひどいので懲役○年にすべきだ」といえば「彼には△△の事情があるので刑は軽くすべきだ」と。
お互いに論争をすることによって、システムとして公平な裁判が成り立つわけです。

ですから、弁護人にとって重要なのは、徹底的に依頼人の利益を追求することです。
依頼人の主張を、法的に精密な戦略に昇華し、勝利を追求する。弁護人はいわば依頼人の武器です。
依頼人の武器となり、徹底的にその利益を追求するために、弁護人は存在します。

その思いで刑事弁護士を志し、その思いで今も刑事弁護に携わっています。



実はこの文章、僕が弁護士になる前に、当時流行していたSNSに書き記したことをまとめたものです。
今見返してみて、当時と気持ちが変わっていなく、安心しました。

今後も、この思いを胸に、日々の事件に全力を投じたいと思います。

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